新規に採用したクリニックのスタッフが扶養家族の範囲で働きたいとのことです。年間収入をいくらに抑えればよいのでしょうか?

新規にクリニックを開院される先生からのご質問です。

答え:年間103万円、130万円を区切りにして、個別の事情を考えて年収を調整してください。

103万円は所得税の非課税の区切りです。妻本人の所得税については、年収が103万円以下の場合は課税されません。(住民税の非課税基準は100万円です。)

税金を払いたくないのであれば、年収を103万円以下に抑えればよいのですが、それを超えた収入以上の税金がかかることはありません。(ちなみに103万円を超えた部分の所得税・住民税の税率は当初合計で15%です。)

130万円は健康保険・厚生年金の被扶養者(扶養家族)の基準です。年収が130万円未満の場合は健康保険・厚生年金の扶養家族になることができます。

健康保険では保険料を納めることなく3割負担で治療を受けることができます。

厚生年金では保険料を納めることなく、国民年金(老齢基礎年金)が将来もらえます。

年収が130万円以上になると、国民健康保険に加入・保険料を納め、国民年金保険料を納めなければなりません。

扶養家族の範囲を超えた場合、税金(所得税・住民税)については、年収の増加分をこえることはなく、手取りは増えますので悪くないですね。

健康保険と厚生年金に加入することになると、150万円程度まで年収を増やさないと、手取りが健康保険と厚生年金の保険料の増加分を超えません。

こう考えると130万円が大きな分かれ目になるようですね。

また、夫の家族手当も忘れてはなりません。

夫の勤務先に家族手当がある場合、その支払い基準も確認をしておく必要があります。

各ご家庭の状況をよく考え、年収を調整するようにしましょう。

*妻の年収が103万円を超えると配偶者控除がなくなり、配偶者特別控除になります。配偶者特別控除が受けられるのは141万円までとなっています。103万円を超えても141万円までなら、配偶者特別控除が受けられますので、収入が増えても手取りは減らないようになっています。(夫の所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者特別控除はありません。)

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