等価交換で病院を建替えた事例

病院の経営が厳しいという記事を毎日のように目にします。

経営改善のため、古い建物を改築したいと考えておられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、経営状況によっては金融機関から資金を借り入れることは困難です。昨年のサブプライムローン問題が発生してからは、個人クリニックの開業資金であっても借入の状況は厳しくなっているという話も耳にすることが多くなりました。

余裕のある土地を所有されている医療機関の場合には、等価交換方式も検討の候補になるのではないかと思います。

先日、大手デベロッパーへのアドバイスをされている方とお会いしました。そのデベロッパーは医療・介護との連携をとることによって、自社で建築したマンションの付加価値を高める戦略をとっているとのこと。

近隣の医療・介護機関と連携をとることによって、年配のお客様がそのマンションを購入されるケースが多くなったのです。

その経験から、病院と連携をして古い病棟を取り壊し、その敷地に病棟とマンションの複合施設を建築したとのこと。

病院の保有している土地と病棟部分を等価交換したため、改築費用は不要でした。マンションは病院の医療が近くで受けられる安心感から高齢者を中心に順調に販売がすすんでいるとのことでした。

資金難の医療機関には借入不要は嬉しい話ですし、マンション住人の方への医療や介護の提供も期待できます。デベロッパーは付加価値をつけた販売が可能になります。そして、何よりもそこに住まわれる方々は医療や介護の心配なく安心して暮らすことができるのではないでしょうか。

いわゆる「三方よし」の状態が期待できるのではないかと思います。

もちろん、現実に立て替えを進めるには事業計画の作成、建て替え期間に医療をどの場所でどのように行うのか、入院患者さんやスタッフをどうするのか、信頼できるデベロッパーの選定などなどハードルが多く、慎重に検討する必要があることは言うまでもありません。

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