医療法人の事業承継構想書

近い将来、事業をご子息に承継していく予定の医療法人のお手伝いをさせていただいています。

事業承継と一言でいいますが、さまざまな要素が絡み合って、非常に複雑です。

特に、理事長先生、ご子息、そのご家族には様々な思いがあり、そのお気持ちを一つにまとめていくことが最も重要なことではないかと思います。

診療科目はどうするのか、どのような診療内容にするのか、誰が何日診療するのか、スタッフの体制はどうするのか、ご子息が現在の勤務先を退職できる時期はいつなのか、理事長の変更はどうするのか、将来の診療体制は現在の設備で大丈夫なのか・・・などなど

設備のリフォームが必要になる場合には、その設計、費用をどうするのか、またそれぞれの医師の報酬はどうするのかなど、お金のことも考える必要があります。

医師1人体制から2人、3人体制になる場合、それぞれの医師の報酬をいくらにするのか・・・難しい問題です。医師が増えたからといってすぐに診療報酬が上がるわけではありません。現在の診療報酬がその支払いに十分耐えられる場合はよいのですが、損益分岐点に近い状況では収入アップを図ったり、お金の算段を考える必要も出てきます。

こうなってくると何が何だかわからなくなってきますね。

こんな時に有効なのが一般企業でよく利用する事業構想書のフォーマットです。

将来の「あるべき姿」を明確にし、「現状の問題点・課題」を抽出、現状とあるべき姿の差を解決するための方向性・方法を考え、そのスケジュールを作っていく。こんな作業が必要になります。

大事なことは複数の方々の考えや思いを出し合って、共通の認識を関係者全員で持つことです。

この内容を構想書にまとめ、話し合いをしながら、必要に応じて訂正を加えていきます。構想書は全員が保有し、これが基本ベースにして話し合いをすすめていきます。

いくら話し合ってもなかなか話が前に進まない場合にはこんな方法をとってみてはいかがでしょうか。

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