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クリニックに指導の連絡が来るのが不安な先生へ

投稿日:2019年09月27日/最終更新日:2019年09月27日

ドクター総合支援センターの近藤隆二です。

これまで私のクライアントのクリニックに指導が入ったことが何度かありました。

指導の連絡が来た時に、多くの先生は

「保健所から指導の連絡が来た!大変だ!どうしよう・・・」

というように大きな不安やストレスを感じます。

そして、先輩ドクターからアドバイスをもらったりすることが多いのですが、その内容が結構間違っていることもあります。

都市伝説のようなアドバイスをもらっていることもあり、間違った対策を打とうとしていることもありました。

指導の連絡があった時には、指導の内容をよく理解し、冷静に正しい対応をすることが肝要です。

まず、先ほどの「保健所から指導の連絡が来た!・・・」には間違いがあります。

「指導」を行うのは保健所ではなく主に「地方厚生局」が主体となります。

保健所が行うのは「立入検査」です。

まずその違いをよく理解しておきましょう。

【立入検査と指導は全く違うもの】
*立入検査・・・保健所が行う人員基準、衛生状態、診療録、その他の帳簿書類に関する調査 
・ 病院は原則として年一回
・ 診療所は新規開設や通報など特別なことがあったとき
     
*指導・・・・・地方厚生局、都道府県などが行う保険診療の質的向上・適正化のため行うもの
           (適正な診療報酬請求のための指導)

また、指導にもいくつかの種類があり、その内容と流れの概要は以下の通りです。

【指導の種類と流れ】

・集団指導
新規指定時、診療報酬改定時に行われる保険診療の取扱い、診療報酬請求事務、診療報酬の改定内容、過去の指導事例などについて講習、講演などの方法により行う。
      
・集団的個別指導
指導対象となる保険医療機関に対して、教育的観点から実施し、レセプト1件当たりの平均点数が高いことを認識させ、保険診療に対する理解を一層深めさせることを主眼として行われる。対象となる機関を一定の場所に集めて、共通的な事項について行う集団部分と、個別に面接懇談方式で行う個別部分による講義形式で行う。(個別部分も個室ではなく広い会場を区切って行う)
診療所はレセプト1件あたりの平均点数が都道府県平均の1.2倍かつ、総数の概ね8%の範囲のものが対象

・個別指導
連続した2か月分のレセプトに基づき、関係書類を閲覧し、面接懇談方式により行う。(指導対象レセプト30名分)指導時間は2時間程度
指摘を受けた項目について診療報酬の返還(自主返還)を求められる。
場合によっては保険医療機関などの指定取り消しにつながることも。
診療所は地方厚生局の事務所・会議室で行う。 
返還事項に係る全患者の指導月前1年分の自主返還を求められる。(施設基準の返還の場合は最大5年とされている。) 
集団的個別指導の翌年度も高点数医療機関の上位8%に位置する場合などに行われる。
      
・新規個別指導
新規指定からおおむね6カ月を経過した医療機関等に実施。(法令の定め無し)
診療所の対象レセプト件数は10人分程度、指導時間は原則1時間
レセプトの自主返還は対象となったレセプトについてのみ。
新規開設から1年6カ月を経過しても通知が来ない時は行われないと思っても差支えない。(医科 30%、歯科 90%程度実施)
     
・個別指導の結果
概ね妥当、経過観察、再指導、要監査
    
・監査
保険診療の内容や診療報酬の請求について「不正」や「著しい不当」が疑われる場合に、保険医療機関の指定取消等の行政措置を念頭に実施される手続き。

この概要を知るだけで、何が怖くて何が怖くないのか、どのような対策を取ればよいのかがわかってきます。

まず「集団指導」は新規開設施設全てに行われるもので、レクチャーのようなものですから、怖くないことがわかります。

「集団的個別指導」はできるだけ避けたいですが、どうすれば避けられるか対策を考えることはできます。

「個別指導」は避けるべきだと思いますが、万一連絡があった時にはその対策も考えることはできますね。

示された基準に当てはまらないにもかかわらず「集団的個別指導」「個別指導」が行われることもあるようですが、そのような時には弁護士の帯同などの対策を考えておくと不安を軽減することができます。

そして、一番の対策は審査支払い期間が審査を行う時の法的根拠となる「療養担当規則」に沿った治療を行い、過剰な請求を行わないことだということがわかると思います。

しかし、「療養担当規則」や「指導」について全体像を知ることはなかなか大変なことです。

特に新たにクリニックを開院される先生にとっては、まるでブラックボックスのように感じられるかもしれません。

そのような先生のために役立つ本が出版されましたので、紹介をさせていただきます。

私が所属する一般社団法人医業経営研鑽会 編「クリニックの個別指導・監査対応マニュアル」です。

これから開院される先生はもちろん、指導に関して不安を感じておられる先生にもお薦めです。

詳細は以下でご確認ください。

「クリニックの個別指導・監査対応マニュアル」

この本のあとがきが素晴らしいので紹介させていただきます。

個別指導や監査に至る理由はとてもシンプルです。保険診療の基本(すなわち「療養担当規則」)を正確に理解しないで診療を行っているからです。そのため、本書で療養担当規則を正確に理解し、不正請求や不当請求とならないためのノウハウを身につけることが第一歩です。そうすれば、個別指導や監査を受ける可能性は格段に減少しますし、保険医の登録取消や保険医療機関の指定取消という憂き目にあうことはありません。
また、不運なことに、個別指導や監査の対象となった場合には、不平不満を言っても始まりません。すなわち、地方厚生局に対して、「ドクターや職員のうっかりミスであった」「患者の利益のためにやった」などという言い訳は通用しません。不平不満を言うのではなく、1)本来提供する必要がない不利な証拠収集がなされないための「対象患者の事前予測」や「その資料の確認」、2)個別指導や監査への弁護士の帯同および録音による適正手続の確保など、個別指導や監査で取りうる手立てを理解しておけば、取消処分になる可能性は極めて低くなります。
地方厚生局も、ドクターへの嫌がらせで個別指導や監査をしているのではなく、適切な保険診療が実現されることを望んでいるのです。やみくもに地方厚生局と反目したり、地方厚生局を恐れたりするのではなく、本書により理論武装して、充実したクリニックの運営を実現してください。

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