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医師としての自分史を書くことの効用

投稿日:2017年08月19日/最終更新日:2017年08月19日

ドクター総合支援センターの近藤隆二です。

 

近頃、クリニックの開院を検討している勤務医の方々の相談を受けることが多くなりました。

相談をいただいた時、最初に

「どのようなクリニックを開院したいのですか?」

という質問をさせていただくのですが、今まで納得がいく答えをいただいたことがありません。

明確に答えをいただくことはあるのですが、多くは以下のようなものです。

「現在病院の○○科で勤務しているので、同じ診療科目で開院したい。
場所はこのエリアで、クリニックの広さは○○坪、医療器械はこのようなものを導入したいと考えている。」

このような情報があればクリニックの開院を進めることはできるのでしょうが、私はこれでは不十分だと思います。

なぜならば、これは既に開院している方々や業界の方々から聞いた話や情報から出てきた一般的・常識的な答えで、自分の内面から出てきた独自の考えではないと感じるからです。

皆さんもご存知のように、これからの医療業界を取り巻く環境は大変厳しいものです。

クリニック数は近年横ばいで推移していますが、その内訳は大きく変化しています。

有床診療所が減り、無床診療所は増え、ご年配の先生が閉院し、ほぼ同じ件数新たなクリニックが開院しているため全体の数は横ばいになっているのです。

経済産業省の予測では2025年頃から外来診療需要は大幅に減少していくようです。

つまり厳しい競合相手が増え、需要が減少するという環境なのです。

そのような時に、一般的・常識的で他と同じようなクリニックを開院し、診療内容が決められている保険診療を行うだけで患者さんに選んでいただくことができるでしょうか?

開院して何年か経てば、何となく先生の人柄などが口コミで伝わり、選んでもらえるようになるかもしれませんが、それまでに多くの時間を費やしてしまいます。

では、どうすれば良いのでしょうか。

私は何も保険診療以外の特殊な診療をしてくださいと言っているのではありません。(もちろんそれができる方は積極的に行っていただければと思います。)

患者さんがこのクリニックで診てもらいたいと思う情報を明らかにし、わかりやすく伝え続けることをお勧めしています。

患者さんが医療施設を選ぶときに重視する情報は様々ですが、その中で最も重要なものは院長先生自身の情報です。

どんな先生なのか、どんな人柄なのか、どんな考えで医療に携わっているのか、どんな医療が得意なのかなどを知りたいのですが、それを知る術がないのです。

そこで、私は自分の考えや方針、良いところや強み、患者さんから選ばれる理由などを明らかにして情報発信してくださいというのですが、なかなか考えが出てこないことが多いです。

その原因は謙虚な方が多く、

「自分なんかまだまだだ」

とか、

「自分より優秀な先生が大勢いる中で、偉そうなことを言うわけにはいかない」

などと考えてしまうからです。

私はどんな先生にもその方独自の良いところがあり、患者さんから選んでいただける理由があると考えています。

長年医師として患者さんに真剣に向き合い、多くの経験を積み、学び、少しでも良い治療方法がないか考え研究し続けていれば、その人独自の医療や人との接し方が生まれると思うからです。

しかし、本人はそのことに気づきにくいことも事実です。

そんな時、私は医師としての自分史を書くことをお勧めしています。

長いものではなくてもいいので、医師になる前から今までの自分の歴史を書いてみるのです。

なぜ医師になろうと考えたのか、医学部で学んでいる時に感じたこと、医師になってから様々な場面やステージで経験し感じたこと、気づき・学び・研究したことなどを時系列で書いてみるのです。

そうすると、自分が今までどのような考え、姿勢で医師としての人生を送ってきたのかが見えてくることがあります。

また、いかに変化・成長しているかが見えてくることもあります。

このようなことが見えてくると、自分の理念や今後の方向性を明らかにする助けになります。

このようなことを明らかにして、患者さんにわかりやすく伝え続けることで、自分にマッチする患者さんに選んでいただきやすくなるのです。

この方法はクリニックの開院を検討している方だけでなく、現在クリニックを経営している方にもお勧めします。

今後の新たな医業経営の方向性が見えてくるかもしれません。

 

この話に関連する話を動画にアップしています。
以下で御覧ください。
自院が選ばれている理由を明らかにして伝え続ける仕組みを作る

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