クリニックのスタッフは適材適所になっていますか?

ドクター総合支援センターの近藤隆二です。

 

こんな目標を掲げている院長先生がいます。

「クリニックのスタッフ全員が全ての業務を同じレベルでマスターする」

これは経営者にとって掲げたい目標だという気持ちはわかります。

同じ給料を払っているのだから当たり前だと考える人もいるでしょう。

みんなが全ての仕事をマスターできていれば、誰かが急に休んだりしても業務に支障が出ないので安心だと思う人もいるでしょう。

しかし、誤解を恐れずに言えば、この目標は間違っていると思います。

「クリニックのスタッフ全員が全ての業務を同じレベルでマスターするよう努力する。」

であれば私は納得できるような気がします。

人はロボットではありません。

ですので、人それぞれ得意な仕事や不得意な仕事があるのが当たり前です。

院長先生自身もそうではありませんか?

オールマイティに仕事ができる人はいるかもしれませんが、全ての人にそれを望むことはできません。

そして、不得意なことを完璧にやろうとするには多大な労力が必要で、それに見合う成果を出すことは困難です。

例えば、静かでおとなしい人に

「いつも明るく積極的に振る舞えるように」

なるまで努力してもらっても、うまくいくイメージは浮かびません。

逆に、ストレスが蓄積して退職につながってしまう危険性があるのではないかと思います。

もちろん、そのように振る舞う努力はしてもらうといいと思いますが、その人ができる範囲で行えば良いことだと思います。

そして、自然に「明るく積極的に振る舞える」人にそれを必要とする仕事の中心になってもらえば良いのではないでしょうか。

一人のスタッフが全ての仕事を完璧に行うことを目指すのではなく、スタッフがそれぞれの得意な分野で力を発揮することで、全体として良い仕事をすることを目指すということです。

これはスポーツのチームの考え方と似ています。

サッカーのチームにはポジションがあり、そのポジションにマッチした選手が配置されています。

そして、それぞれのポジションの選手が自分の役割を果たすことで、チームが機能して点が取れ、失点を防ぐことができるのです。

良いチームのエースストライカーは点を取った時に感謝の気持ちを表すことがあります。

「自分だけの力なのではなく、チームメイトのおかげで点を取ることができました。」

このような気持ちを持てる環境のチームは強いですね。

これはクリニックというチームでも同じだと思います。

スタッフそれぞれがお互いを認め合い、お互いに感謝しながらチーム全体で良い仕事をする。

誰かが困っていれば助け合う。

こんな環境を作ることができれば、本当に良いクリニックになることができると思います。

 

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