ドクターよろず相談所

コラム

映画「精神」を観ました

投稿日:2009年06月15日/最終更新日:2018年08月19日

映画「精神」 相田和弘監督 を観ました。

岡山の精神科診療所 「こらーる岡山」 で実際に診療の現場や患者さんの生の声を撮影した映画です。相田監督は「観察映画」と言っているようです。

患者さんや関係者の方々の許可を得られた方だけを撮影しているのですが、大変感じるところの多い映画でした。

中でもコラール岡山の医師、山本昌知さんの人間性、診療に対する姿勢に感銘いたしました。

画面で拝見する限り、70歳を優に越えておられるのではないかと思いますが、患者さんのお話をじっくりと聴かれます。患者さんから質問があったときも、すぐに答えを言わず、「あんたはどうしたらいいと思うとる?」と岡山弁で問いかけるのです。患者さんとの会話のキャッチボールの後に、患者さんが自分で判断をするケースが多々ありました。

あるご年配の患者さんが「そろそろ着地点を考えないといけない」というニュアンスのことを言われたとき、山本先生はメモ紙に二つの絵を描かれました。一つは丸い円で、人生が生老病死とぐるぐる回る絵、一つは右肩上がりの直線で最後は垂直に線が落ちる絵です。この絵を患者さんに見せ、「あんたはどっちがいいと思う?」と問いかけるのです。患者さんは「丸い円のほうかな?」と答えます。

看護師さん対象の勉強会の最初、「紙に□(四角)を描いて、その上に〇(丸)を三つバランスよく描いてください」と実習をします。周りは見ないことが条件です。参加者は様々な絵を描いています。□の上辺に〇を並べた絵、□の中に〇を横に並べた絵、□の中に〇を三角に並べた絵など千差万別です。参加者は周りを見て、自分と違う絵が沢山あることに驚きの声をあげます。

そこで山本先生は一言

「一方的なコミュニケーションにはいかに危険性があるかということです。」

ショックを受けました。

これは医療の世界に限らず、生きていく中で最も大切なことではないかと思います。

自分の生活や仕事をしていく中でも、気をつけていこうと思います。

この映画を上映している映画館は少ないのですが、お時間のある先生にはぜひ観ていただきたい映画です。

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