【今日の質問】医療法人のクリニックを将来移転するための土地を購入します。移転するまでの間、理事長社宅を建てて理事長が住んでもよいでしょうか? 【答え】はコチラ⇒

こんにちは。

開業医のビジョン実現ナビゲーターの近藤隆二です。

11月の中旬になって、急に寒くなりました。

風邪などひかれないよう、お気を付けください。

今日のご質問は医療法人の理事長先生からいただきました。

医療法人で開設しているクリニックを将来移転する予定です。

移転先の土地を購入し、移転までの間、理事長社宅を建築し供与してもよいのでしょうか?

賃貸料相当額を支払えばよいと聞きました。

というご質問です。

【答え】

理事長先生のみに社宅を提供することは特定の人にのみ利益を提供することになります。

理事やスタッフ全員が社宅を利用できる規定を作り、福利厚生の一環として行うようにしましょう。

医療法第54条
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000205&openerCode=1
には以下のように書かれています。

「医療法人は剰余金の配当をしてはならない。」

理事長先生のみに社宅を提供するということはこの配当にあたるとも考えることができます。

地域によっては行政からの指導を受けることも考えられますので、注意をしましょう。

理事・スタッフ全員が利用できる社宅制度を作り、その一環として理事長社宅があるという形で運営することが望ましいと思われます。

賃貸料相当額を支払えばよいというのは、税法上の問題です。

医療法上の問題ではありませんので、ご注意ください。

参考:役員に社宅などを貸した時(国税庁HP)
http://www.nta.go.jp/renewal.htm

今回のケースでは、将来移転をするための土地に社宅を建てるということですが、それまでの期間がどれぐらいなのかを考えて建築するかどうかを考えましょう。

また、医療法人で土地を購入した場合、その土地を駐車場などにして一般の方に貸すことはできません。

医療に関係すること以外には利用できませんので、こちらも注意しましょう。

医療法人の業務範囲は限られていますので、こちらを参考にしてください。

参考:医療法人の業務範囲(厚生労働省のHP)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/igyou/igyoukeiei/gyoumu.pdf

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