クリニックのスタッフが長く働ける環境を整える

ドクター総合支援センターの近藤隆二です。

クリニック経営には様々な課題があります。

その中でもスタッフのマネジメントは最大の課題の一つです。

院長先生とスタッフ、スタッフ同士の関係性がよく、みんなが明るく前向きに、長く働き続けることができるクリニック。

こんなクリニックが理想ですが、一朝一夕にできることではありません。

良い環境を整え続けることでこのようなクリニックができていくのだと思いますが、その参考になるテレビ番組を見る機会がありましたので内容を紹介させていただきます。

その番組はN H K Eテレ、「こころの時代」札幌市円山動物園の動物専門員・本田直也さんを取材したものです。

本田さんは、絶滅危惧種の繁殖のスペシャリストで、は虫類両生類の人工下での繁殖の第一人者で、「生き物のことを全て理解はできないが、想像することはできる」と言います。

本田さんは生き物を観察しその生息環境を再現することで、繁殖へとつなげ、人間の手で誕生させた命を、自然の中に還すことを目指しています。

具体的には希少な生物であるヨウスコウワニ、ハコガメ、ベーレンパイソンなどが生きているそれぞれ独自の世界である「環世界」がどのようなものなのかを探り、整え、飼育し続けることで繁殖に結びつけようとしています。

ハコガメは分布する地域ごとに異なる生態を持つ希少な種です。

そのハコガメを発情させる条件は、東南アジア特有の乾期と雨期がはっきりと切り替わる気候。

そして、形態から推測される生息地の森の雨をたっぷり吸い込んだ土です。

条件を細かく調整し続けること10年以上…。

ハコガメは求愛行動を見せるようになりました。

繁殖とひと言で言っても発情から交尾、産卵、孵化までいくつもの段階があります。

本田さんの手がけたカメの場合、産卵までこぎ着けても半分の卵がかえりません。

原因は分かりませんが、本田さんは日々なぜうまくいかないのか、何がよくないのかを探り環境を整え続けています。

この活動のゴールがどこにあるのかは見えませんし、もしかするとゴールはないのかもしれません。

これは動物の話ですが、人間の組織にも当てはまることではないかと感じています。

院長先生とスタッフ、スタッフ同士の関係性がよくなるにはどのような環境が必要なのか。

どのような環境であればみんなが明るく前向きに働くことができ、長く働き続けることができるのだろうか。

一人一人のスタッフの個性や強みなどを見ながらそれぞれの「環世界」を想像し組織にとってどのような「環世界」が適切なのかをを探り、整えていく。

スタッフの「環世界」が狭い時、固まってしまっている時などはその世界を変え広げることができる環境を整えていく。

「スタッフのことを全て理解はできないが、想像することはできる」という姿勢で行動していく。

こんなことをしていくと良いのではないかと感じています。

そして良いクリニックを作るには、まず自分自身の「環世界」と近い「環世界」に生きているスタッフに働いてもらうことが大事です。

一人一人の「環世界」を変えることはなかなか困難だからです。

似た「環世界」の者同士が仕事をすることで、同じ努力をしても成果に大きな差が出てくるのではないでしょうか。

そして、この活動のゴールは見えず、もしかするとゴールはないのかもしれない。

こう考えることで焦りや不安がなくなるのかもしれません。

こんなことを言いながら、私自身が相手の「環世界」をよく理解できず失敗した事例を動画でお話ししましたので以下でご覧ください。

「なぜクリニックのスタッフに話が通じないのか」

またスタッフのマネジメントについて当社のクリニック経営講座・入門編 第3講で詳しくお話ししていますので以下でご確認ください。

クリニックを開院するための経営講座 入門編 第3講 【良いチーム作りはクリニック経営の礎〜スタッフ採用とマネジメントの手法〜】

無料メールマガジン登録

ドクターの経営・ライフプランのリアルなヒントを無料配信しています。