小説「蜜蜂と遠雷」から勇気をもらいました
ドクター総合支援センターの近藤隆二です。
今年のゴールデンウィークは長期のお休みを取られた方も多いのではないでしょうか。
私はカレンダー通り仕事をしながら、映画を観たり、公園に行ったり、買い物をしたりしながら、のんびりと過ごしました。
その中でも恩田陸さんの小説「蜜蜂と遠雷」を読んだことが、大きなトピックでした。
直木賞と本屋大賞の二冠を獲得した初めての小説で、話題にも登ったのでご存知の方も多いと思います。
恩田陸さんの小説は初めて読んだのですが、大きな影響を受けました。
日本で開催される国際ピアノコンテストが舞台で、様々な才能を持った個性豊かなピアニストたちが悩みや葛藤、努力、喜びなどを経て、参加者それぞれが影響しあいながら成長していく姿が生き生きと描かれています。
小説として純粋に楽しむことができるのですが、それと併せて
人は一人一人に個性があり、自分の個性にあった生き方をして成長し続けることの尊さを教えていただいたような気がします。
コンテストの審査委員長は一次二次三次予選が終わるたび、結果を伝える前に毎回同じことをコンテスタントに伝えます。
「年々レベルが上がっていること、今回は以前にも増してコンテスタントのレベルが高く、激戦であったこと、この審査に落ちてもコンテスタントの音楽性を否定したわけではないので、気を落とさずまた挑戦してほしい・・・・」と
そして審査員もコンテスタントも、そもそも演奏の順位をつけることに矛盾を感じています。
コンテスタントは他者の素晴らしい演奏に影響されながら、自分の目指す音楽はどのようなものなのか、本来自分は何に喜びを感じていたのかなど知覚を広げながらどんどん成長して、自分固有の音楽を作り出していきます。
恩田さんは音楽という舞台を利用して、人は自分らしくいつまでも成長できるという勇気を与えようと
しているのではないかと感じました。
長い期間仕事をしてきたり、年齢を重ねるとマンネリに陥ったり自分で制限を作ってしまいがちいですが、そのような現状に疑問をもたせてくれました。
私事で恐縮ですが、今年還暦を迎える私自身もまだまだこれから知覚を広げて自分らしく生き、成長することができるのではないかとも感じました。
これからの人生をどのように送っていこうかと悩んだり、真剣に考えている方に、特におすすめの小説です。